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バイデンの副大統領候補

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バイデンの副大統領候補

ジョー・バイデンが指名候補になる中で、 副大統領候補が誰になるかに注目が集まっています。ちなみに、画像の女性はコメディドラマVeepで副大統領を演じるジュリア・ルイス-ドレフュスが当時副大統領のバイデンと面会した写真であり、記事の内容には何の関係もありません。


バイデンが副大統領になる上で、考慮する点はいくつかあります。

  1. 大統領になる素質があるか。副大統領は大統領に何かあったときに大統領に就任します。バイデンは特に大統領就任時に78歳と、選挙に勝利したら最も高齢の大統領になります(二番目はトランプです)。素質とは、上院議員や州知事などの経歴などが考慮されます。
  2. 特定の州を有利にする可能性があるか?クリントンが2016年に副大統領候補に選んだティム・ケイン上院議員はバージニア州の上院議員であり、接戦州のバージニアでの選挙を有利にするのではと考えられていました。
  3. 民主党支持者、特に指名候補に投票しなかった支持者が好む候補であるか?特にサンダースのような熱心な支持者がいる候補がいた選挙では、支持者を喜ばせる副大統領候補を選ぶことに意味があるかもしれません。
  4. 弱みがないか。副大統領候補がどれだけ勝利に貢献するかはわかりませんが、過去に逆の効果があっただろうと考えられている候補は何人かいます。代表例は失言を連発したサラ・ペイリンです。

過去の副大統領候補の例を見ると、オバマがバイデンを副大統領候補に選んだのは理由1でしょう。バイデンは長年議員をしており、自身も大統領に立候補していました。また、バイデンは上院での影響力が大きいため、政策を有利にすると考えられていました。

2008年にジョン・マケインが選んだアラスカ州知事サラ・ペイリンは3番目の理由で選ばれました。穏健保守派のマケインは、若く、極右のペイリンを選ぶことで共和党右派を喜ばせようとしました。ペイリンは後にオバマがアメリカ人ではないという陰謀論を広めたりしました。現在では、ピンクのクマの着ぐるみを着てタレントショーに出演するなど迷走を続けています。

 

 

副大統領候補の有力者

バイデンは女性を副大統領候補に選ぶと話しました。幸いなことに、共和党と異なり、民主党には多くの有力な女性政治家がいます。

 

エリザベス・ウォーレン

世論調査で民主党支持者からの支持が最も高いのはエリザベス・ウォーレンです。彼女はリベラル派に人気であり、さらにマサチューセッツ州上院議員と経歴に問題はありません。彼女は上院議員になるまでは法学教授をしていたため、あまり政治スキャンダルなどの意意味での弱みはありません。

一方で、ウォーレンは特に大口の政治献金者からは不人気なので、政治献金を集めるのに問題が出てくるかもしれません。また、彼女は中道派の有権者をバイデンから遠ざける可能性があります。また、彼女は70歳です。78歳の大統領の副大統領が70歳というのは、とくに高齢者が重症化しやすいパンデミックの中では問題かもしれません。

 

カマラ・ハリス

ハリスはカリフォルニア州選出の上院議員です。元カリフォルニア州司法長官という経歴と、黒人・アジア系というアイデンティティから今年の選挙で女性版のオバマになるのではとの期待もありました。

ハリスは間違いなく最有力候補の一人です。バイデンのサウスカロライナ予備選挙での勝利に貢献した大物黒人議員、ジム・クライバーンができれば黒人女性がよいと発言したこともあります。ハリスはそれに当てはまります。

一方で、ハリスは大統領選挙で一時期最有力候補でありながら、たいして支持を得られずにアイオワ党集会までもたどり着けずに脱落しました。そのため、あまり選挙がうまくないのではないかという不安があります。

 

エイミー・クロバチャー

クロバチャーはミネソタ州上院議員で穏健派の大統領候補として選挙に立候補しましたが、スーパー・チューズデーの前に脱落してバイデンへの支持を表明しました。

クロバチャーの強みは、前回トランプを勝利に導いた中西部3州のペンシルべニア、ミシガン、ウィスコンシンのなかのウィスコンシンの隣で、2016年にクリントンが1.5%差で勝利したミネソタ州で圧倒的な強さを誇ります。民主党が躍進した年であるとはいえ、2018年の中間選挙でクロバチャーは24%差で共和党の対立候補を粉砕しました。

一方で、彼女は穏健派の議員であるため、サンダース系のリベラル派の議員が拒否感を示す可能性があります。中道派の有権者に対するリスクはありません。

ステイシー・エイブラムス

photo credit: Kerri Battles

彼女は2018年のジョージア州知事選候補で、共和党の牙城のジョージア州で敗れたとはいえ1.4%差まで肉薄した候補です。彼女は40代と比較的若い黒人女性で、バイデンが予備選挙で勝利した理由である黒人支持者の投票率を上げることが期待されます。

一方で、彼女はジョージア州議会下院院内総務と、州議会下院議員が政治キャリアです。上院議員や州知事と比べると経歴上劣ります。バイデンは年齢上二期目はない可能性が高いうえ、もしバイデンに何かあったら大統領に就任する人の前職が州議会下院議員というのは少し変です。

 

グレッチェン・ウィットマー

ミシガン州知事のウィットマーは2018年の州知事選挙で共和党の対立候補に約10%差で勝利したという過去を持ちます。ミシガンは2016年にトランプを勝利に導いた州であり、民主党が何としても勝たなければならない州です。また、彼女はコロナウイルスの対応で高い支持率を保っており、ミシガン州でバイデンを有利にする可能性があります。

一方で、彼女は州知事に就任してから一年ほどしかたっていません。また、州知事であるため、民主党員からの全国的な支持はウォーレンやハリスには及びません。

 

キャサリン・コルテス-マスト

コルテス-マストはネバダ州の上院議員です。ネバダ州は接戦州よりは民主党よりですが、民主党の強固な地盤というほどではありません。また、接戦州になったアリゾナ州の隣です。

彼女はヒスパニック系の女性議員であり、予備選挙でのバイデンの弱みのヒスパニック系の支持を高めるかもしれません。

一方で、彼女は知名度の点では恐らく最近注目されているウィットマーにも劣ります。また、ヒスパニック系が多い州で接戦州といえるのはアリゾナ州だけです(テキサスはまだ接戦州とは言えません)。

他にも何人か有力候補と考えられている人はいますが、最有力は上記です。おそらく、今バイデン選挙部は世論調査を行っているでしょう。

最後に、バイデンとの関係も重要です。副大統領というのは4年間は大統領と共に働くことになるので、仲があまり悪いとうまくいきません。

 


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